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カミオカンデは科学的探究心の象徴

3つのカミオカンデ

カミオカンデは、岐阜県飛騨市神岡町の旧鉱山内にある、巨大な地下水槽に電球のお化けみたいなのがたくさん付いている施設です。
初代カミオカンデは1987年に建設され、2代目となるスーパーカミオカンデが1996年より今日まで稼働しています。
また、さらに巨大なハイパーカミオカンデが建設中であり、2027年からの運用が計画されています。

何をする装置?

スーパーカミオカンデは直径39.3m、深さ41.4m、内部を満たす超純水の量5万トンという巨大な水槽です。
しかもその内壁に電球のお化け(光電子増倍菅というそうです)をたくさんつけています。
何をする装置なのかというと、「ニュートリノが水にぶつかる際に発生するチェレンコフ光を検出する」装置なのです。

ニュートリノ

原子は原子核と電子で構成されると先日の投稿で書かせていただきましたが、さらに細かく見ると原子核は陽子と中性子で構成されています。
さらにさらに、陽子と中性子を構成する単位が素粒子と呼ばれ、いくつか種類がある素粒子の一つにニュートリノと呼ばれるものがあります。
ニュートリノは太陽のような恒星で大量に生成され、常時地球に降り注いでいます。
ニュートリノは寸法が小さすぎて、そのほとんどは私たちの体はおろか地球そのものを素通りしています。
ですが、超新星爆発など大量にニュートリノが作られ地球に降り注ぐ際などに、ごく稀な確率で地球上の物質にぶつかることがあります。
カミオカンデはとにかく体積の大きな水槽を用意して、ニュートリノが水にぶつかる確率を上げようとしているのです。

チェレンコフ光

ニュートリノがカミオカンデ内の水とぶつかるとどうなるでしょうか?
ニュートリノが水にぶつかる際に荷電粒子が放出され、波としての光の速度を追い越してしまい、衝撃波のような感じで円錐形の光が出るそうなんです。
この光のことをチェレンコフ光と呼びます。
(???ですね。また機会あれば改めて取り上げます。)
チェレンコフ光がカミオカンデ内の光電子増倍菅に捉えられ、電気信号に変えられることでニュートリノの衝突を認識できるとできるというわけです。

原動力は未知への探究心

これまでカミオカンデは、超新星爆発のせいで宇宙から大量に降り注いできたニュートリノや、茨城県の東海村で人工的に作り発射されたニュートリノを検出してきました。
現在我々が考える最も小さな物質の構成単位である素粒子がどのような性質を持っているかを調べるためなのですが、そこから得られる知見が私たちの生活をどのように変えることができるのか、現時点では不明です。
ただ未知なものを知りたい!という科学的探究心が人や国家を動かしてプロジェクトを継続・発展させていることに驚かされます。

ABOUT ME
ichiro.k
53歳。大手素材メーカーで複数の営業部門、複数のスタッフ部門を渡り歩き、50歳を過ぎて新規用途探索・製品開発に関わる。文系の学部卒で後にMBAを取得した超文系人間だが、周りが理系だらけの職場で長年勤務することで技術の「知ったかぶり」が得意技に。本ブログでも何となくわかったかのような技術ネタを、さわりだけご紹介し読者の方々の「知ったかぶり」度向上に貢献します。