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星空を見るコツ=視野の中心から少しだけ外れたところがよく見える

夏はキャンプなどで星空を眺める機会が多くなる時期ですね。
今回は、ヒトがものを見る仕組みから星空を見るコツについてご紹介したいと思います。

目の構造

まず、目は光を受けると「網膜」で電気信号を発生します。
網膜には「視細胞」と呼ばれる細長い細胞が片目あたり1億個以上びっしりと並んでおり、これがデジタルカメラの光センサーのように光の刺激を信号に変えて、脳に映像を伝える働きをしています。

視細胞には2種類ある

視細胞には機能が異なる2種類があります。

一つ目は、主に暗いところで働く高感度センサーの機能を持つ視細胞で「桿体(かんたい)視細胞」と呼ばれるものです。
桿体視細胞は色を区別することはできないのですが、月夜のようなわずかな光源下でもものを認識することができるのだそうです。

二つ目は、主に明るいところで活発に働く低感度センサーの機能を持つ「錐体(すいたい)視細胞」です。
錐体視細胞には吸収できる光の周波数帯から3種類あり、それぞれがR・G・B(赤・緑・青)の各々を主に見ることができるように機能が分かれています。
このおかげで私たちヒトの色覚は3原色なんですね。

視細胞の分布領域

さらに面白いのは、桿体視細胞と錐体視細胞とは網膜上での分布領域に違いがあることです。

網膜上の中心部分である中心窩(ちゅうしんか)と呼ばれる領域には主に錐体視細胞が分布しており、少し周辺部へずれると錐体視細胞の分布が極端に減ります。
視細胞の分布密度が高いと見え方がよりはっきりしますので、明るいところでは網膜の中心部分に多く分布する錐体視細胞の働きで視野の中心部がよりハッキリ見えて、周辺部がぼんやり見える、ということになります。

桿体視細胞は中心窩(ちゅうしんか)から少し外側での分布密度が最大となり、さらに外側へ行くにつれて少しずつ分布密度が減少します。
このため、暗いところでは、網膜の中心部分から少し外側に多く分布する桿体視細胞の働きで視野の中心部よりも少し外側の方がよりハッキリ見える、ということになります。

このため、星空を見る時のような暗い状況では桿体視細胞が活躍する場面となりますので、見たい星を視野の中心から少しだけ外したところで見ることでよりはっきり見ることができるというわけです。

ABOUT ME
ichiro.k
53歳。大手素材メーカーで複数の営業部門、複数のスタッフ部門を渡り歩き、50歳を過ぎて新規用途探索・製品開発に関わる。文系の学部卒で後にMBAを取得した超文系人間だが、周りが理系だらけの職場で長年勤務することで技術の「知ったかぶり」が得意技に。本ブログでも何となくわかったかのような技術ネタを、さわりだけご紹介し読者の方々の「知ったかぶり」度向上に貢献します。