先日、私が住んでいる自治体のイベントで星空観察会があり、娘と二人で参加してきました。
望遠鏡をご準備いただき、いくつかの天体に方向・焦点を合わせていただいたものを覗き込んだのですが、中でも木星がとても印象的でしたので、今回のテーマに挙げさせていただきます。
木星の存在感
ビルの屋上で夜空を見上げると、いわゆる「冬の大三角」と呼ばれるオリオン座のペテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンといった明るい星々がパッと目に入りました。
しかしそれらと同様に、いやそれ以上に存在感を放つ明るい星が西の空に輝いていました。
そうです、木星です。
セットいただいた望遠鏡をドキドキしながら覗き込むと、、、
肉眼ではキラッと輝く光にしか見えない木星がちゃんと球形に見えて、しかも独特の茶色い縞模様を見ることができました。
また、木星の周りに小さい光の点が3つ見えました。
木星の衛星たちも一緒に見ることができたのです。
小学生の娘も私も大興奮し、「ガリレオ・ガリレイが自作望遠鏡で見た木星もこんな感じだったのかな」と思いを馳せました。
木星あれこれ①:縞模様はガスの雲
木星は水素やヘリウムといったガスを主成分とする天体であると考えられています。
これらのガスを主成分とする大気層で発生する雲が対流することで独特の縞模様が形成されていると考えられています。
どうして白く見える部分と茶色に見える部分が緯度により異なり綺麗な縞模様となるかは、まだよくわかっていないそうです。
また、縞模様だけでなく「大赤斑」と呼ばれる巨大な渦巻きがあることも知られており、巨大な台風のような気象状況が起きているものと考えられています。
(星空観察会の場では「大赤斑」までは見ることができませんでした。さらに高倍率の望遠鏡を使う必要があるようです。)
木星あれこれ②:衛星の数は80個超
地球の衛星の存在は今のところ月しか確認されていませんが、木星にはなんと約80もの衛星があることで知られています。
この衛星の多さは太陽系の惑星の中では土星に次ぐ個数だそうです。
木星の衛星の中でも、その大きさで最も見つけやすい4つが特に有名です。
イオ、ガニメデ、エウロパ、カリストの4つであり、ガリレオ・ガリレイが最初に発見したことからガリレオ惑星と呼ばれています。
ガリレオ衛星についてそれぞれごく簡単に特徴を上げると以下のような感じです。
イオは、多くの活火山を持つ天体であることが知られています。
ガニメデは、太陽系の衛星の中でもその大きさは最大級(直径5,000km超)であり、なんと水星よりも大きいそうです。
エウロパは、以前にも本ブログで取り上げたことがありますが、液体の水があるため太陽系の中で生命が存在している可能性が最も高いカテゴリーの天体です。
また、エウロパという名はギリシア神話を由来としており、ヨーロッパと同じ語源だそうです。
カリストは、ガニメデに次ぐ大きさの木星の衛星です。
娘と私が望遠鏡で見ることができた3つの衛星は、おそらくガリレオ衛星4つのうちのどれか3つであったのだろうと想像しています。
木星あれこれ③:十二支は木星の公転周期から作られた暦
天空でひときわ明るく輝く木星は、古代から人々の関心を惹きつけ、利用されてきました。
木星が太陽の周りを周回する公転周期が12年であることから、毎年決まった時期に天球上に木星が見える位置が12年周期で移動します。
この、木星が天球上のどの位置にあるかを元に古代中国で作られた暦が十二支といわれています。
最初はシンプルに1から12までの数字をあてていたそうですが、民衆にとって覚えやすいものにするために12種類の動物をあてたのが今日の十二支というわけです。
今回、星空観察会が楽しすぎたので、今度は大きな天文台の観察会に参加するか、あるいはマイ望遠鏡の設備投資をするか、とあれこれ悩んでいるところです。